人間の新しい反応

今日はとてもむしゃくしゃしていたので、帰宅するなり服脱いでポイポーイとそこらへんに投げ捨て、パンツとキャミソールだけで台所に立ち、野菜を乱暴に切り刻み、お湯をぐらぐら沸かして、ラー油とか塩とかで適当に味付けして餃子スープ作った。そしてたくさん食べて、お酒を片手にパンツ一丁のままドリフのシングルコレクションをヘッドフォンして大音量で聞いてニヤニヤしてたら妹が帰ってきたので大変驚かしてしまった。私はとても退屈している。退屈度で言えばスパンクハッピーの次期ボーカリストになれるくらい死ぬほど憂鬱で死ぬほど退屈。人間の新しい反応が見たい、と昨日の夜半分寝ぼけながらお友達に訴えていた。どうやら私はとても悲しくて惨めな人間らしい。化学反応が見たくて人体実験みたいなことばかりしてたら嫌われてしまうのは目に見えてる。でもそういう遊びをせずにはいられない。

今日良かったことは、ドリフの曲の歌詞が可愛くてばかでかわいそうだったのと(トラのプロレスラーのパンツはすぐ落ちる、とかそういう歌詞)レーモン・ルーセルの本に出てくる珍妙な場面が私好みの夢うつつな感じだったということ。たくさんの抜かれた歯を並べてモザイクを作る機械だとか、ダイヤモンドみたいな水槽の中を泳ぎ回る一本も毛のない、ばら色の肌をした猫だとか、まだ最初のほうしか読んでないけど私がぼんやりする話ばかり出てくる。シュヴァルの理想宮について書かれた本で、シュヴァルとルソーとルーセルの共通するかわいそうな話を読んで、私は思わず涙したのでした。尊敬する天文学者にお呼ばれしたとき、デザートに出された星型のビスケットを持ち帰り、錠付の星型のガラス製容器を作らせて長い間保存してただとか、外を歩いていて誰も自分を振り向かないことにショックを受け体中に赤い斑点が出来ただとか、とにかくかわいそうすぎて涙した。いつかは幸せになれたんだろうか、と思ったらルーセルは自殺してる。

今度田舎に遊びに行ったら、髪の毛をおさげにしてアイマコみたいな写真を撮ろうっと。髪の毛の分け目から田舎道が続くの。天気が良ければ楽しいし、雨降りのときはお菓子食べて寝よう。人畜無害の爛れた人間になろう。