振動する生暖かい呼吸

妹が社員旅行に出かけてしまい、昨日今日と一人でもそもそと夜ごはんを食べました。豆ごはんは白地に緑のドットで大変可愛らしい。それとかぼちゃの煮たのと食べかけのハンバーグ。私はとてもごはんを食べるスピードが速いのですが、一人だとそのスピードはますます加速してしまって、その後の長い時間を何をしていいのか分からなくなりしばし呆然とする。
今日は(目や耳ではなく)身体を使って遊びたくなったので、候補に挙がった遊びは
・絵を描く
・ローラースケート
・縄跳び
・フレンチトーストを作る
等でした。しかし、やはり外は寒いので外出は億劫になり、卵も食パンもキッチンにはなく悲しいくらいにひんやりとしており、ならば絵を描こう、すごい色のジャングルの絵を、と思ったら絵の具も鉛筆も見当たらず(見つかったのは小さなノートのみ)しばらく家中をうろうろしていたらピアニカを発掘したのでブーカブーカ吹き鳴らしました。ベッドに寝そべり、フローリングに転がり、廊下を歩きながら、干乾びたバスタブに腰掛けて、キッチンの壁にもたれかかって、四小節を3時間近く何度も繰り返しました。とても愉快。いい具合に疲労して私の身体も心もしんなりしたので、いまは落ち着いて文字を読んだり文字を書いたりしている。枕にも滑稽で物悲しい音色が染み付いているので、今日は楽しい夢を見れそうです。すなわち荒地でピアニカを吹く私の足元にコマドリが飛んできて、枯れ草をかき分けてみるとそこには古ぼけた鍵が!