春の夜

口の中でパチパチするすごい色のアイスクリームを片手にショッピングモールの中をうろうろ。幸福な子供のふりをするということの虚しさなどは考えない。レストランのサンプルを触って、新機種の携帯で会話する最先端ギャルのふりをして、可愛い帽子を鏡の前でかぶってみて、虚無を遊び倒す。全ては虚しいこと。何も買わず、楽しい気分のまま店を出て、公園で遊ぶ。新しくて味気ない公園でも夜だと素敵に見える。崩れかけの巨大建造物のふもとでローラースケート。楽しい気分を言葉にしようとしたら咳が止まらなくなり、血の味のする咳と笑い声が狂ったように鉄に響いた。

そういえば、きのう電話もらったのにとっておきの話するの忘れてた。ごめんなさい。