私はギターみたいな女の子だから

今日は仕事中「ああ、こういう人がいつか小学校の校庭にダンプカーで突入したりして捕まるんだろうなぁ…」と思っていた中年男性に、尋常じゃない表情(怒っているのか、泣いているのか、笑っているのか判別のつけ難い表情)で突然話しかけられたので殺されるかと思いました。そしたらそのすごい表情を崩すことなくどもりながら「あなた本当に可愛いですね。モテるでしょう?」って言ってきたので、殺戮ショーのヒロインから一気にラブコメのヒロインになった私は、ただでさえ仕事が忙しく追い詰められていたので頭の中がいよいよ大変なことになった。この男性の手によって薄暗い四畳半の部屋に監禁された私は、昨今の少女漫画の如く強姦から恋が始まるでしょ?その1年後には常に斜めに傾いた子供が生まれ、夕食の後には親子三人でさくらんぼを食べて「子供より親が大事」ってつぶやくでしょ?その後の私ははなんかしらないけどおにぎり一個と春を交換しながら、「この街には風があるの」って言いながら、サバンナの女王って感じで駅のベンチで死ぬでしょ?そういうのが走馬灯のようにくっきりと頭の中をよぎり、それはそれで幸せかもと思ったけど、そういう幸せは私より音君のほうがお似合いだと思った(ひどい言い草)。でも、じゃあ私の幸せって?って思ったら、なんかよく分からなくなってこちらまで泣きそうになったので、涙目のまま「モテます!」と答えたらその人は立ち去って行った。あと、グレープフルーツちょうだい!って言いたかったけど、もう姿も見えなかった。正直殺されるかと思いました。