湿った街

夕方、うさぎを連れて山へ行きました。

草の上に置いてみたらじっと座ったまま動かず、あまり嬉しそうじゃなかったのでドキドキしました。しばらくすると飛んだり走ったりしていたけど、多分肉食の狩猟をする動物と違って飛んだり走ったりすることは練習を兼ねた遊びじゃなくて、本気の時じゃないとやらないような気がするので悪いことをしたかなぁと思った。でもちょっと良い空気を吸ったので、うさぎには機嫌を直してほしいです。ねぇ。この無表情の生き物。普段このうさぎは私のことがあまり好きではないのですが、広い場所で恐怖にかられたのか珍しく好かれました。帰ってきておうちに戻してやると、いつも通り斜めになったりごはん食べたり水飲んだりぼんやりしたりしてました。

要塞と看板の写真。

このかっこいい要塞には椅子が置いてあるのです。座ってみたい。

土曜日はひなびた小さな温泉街へ蛍を見に行った。町中が川と温泉と工事中のせいで水浸しで、雨も降っていないのに道路が濡れていた。どこもかしこも湿っていた。薄暮の街を歩いていると、建物の影にタオルを腰に巻いた男性の姿が見えたりした。犬に吠えられて逃げた。この街の素晴らしさを言葉に出来たなら!と思うけどいつも眠い。そういうことがたくさんあって悲しい。
蛍は、まぁ普通に光ってた。もし蛍が米を食べる生き物ならこの街では戦争が起こってたかも、とかそういう話をして歩いた。帰ってきて本読んだりしているうちに眠ってしまい、そして寝ぼけた。「わぁー。ストロベリーの××(聞き取り不可能だったらしい)がいっぱーい。おいしそー」みたいなことを嬉しそうに言ってたらしい。もう食べられないようムニャムニャ…。