19歳のマッピーは宙ぶらりん

毎朝通りかかる小さくて古い家の垣根が、ちょうどトナカイが横向いたような形をしている。本当は単に手入れをしていない木が好き勝手に伸び切って、なんとなくそれっぽい形をしているだけなのだが、私はいつも横を通る直前にならないと気がつかない。それで毎朝「まぁかわいらしいトナカイ」などと感心してはちょっとがっかりする。きっとそのうち私の記憶の中ではトナカイに書き換えられてしまうであろう。

昨日からずっとマッピーに熱中しています。空き時間があればすぐさまマッピー。睡眠時間も削ってマッピー。小さい薄紫色の猫達がわあわあ追いかけてくる。ドアをバターンと閉めて猫たちがコロリと転がる様がとても可愛い。ゲームスタートするときにポカーンと口開けて頭の上に白いはてなマークが出るマッピーもとても可愛い。みんな頭悪そう。30歳のマッピーはドアの閉まる方向を間違えて、おでこぶつけて転んで照れ笑い。18歳のマッピーは分厚い扉の向こうに子猫を集め、音の速さで扉を開けて子猫を粉砕。宇宙の彼方へ子猫たちは消えていった。一方その頃、赤い猫はラジカセの後ろで背中を震わせ、毛玉を吐いていた。