君みたいにきれいな男の子

眠れなかった。私はかっこいい、とかそういう形容詞の男の子なら見たことあるけど、きれいな男の子は過去に一度しか見たことがない。私の記憶の中か想像の中か、どちらにせよまだ見ぬきれいな男の子のことを、どういうわけか懐かしく思っていた。彼の恐怖や悲しみが角砂糖のように消えますように、と祈って、でもそれが誰のことだか分からなくてキョトンとする。雨が降ってきた。