正月の実家ワールド

いにしえより、実家にはしばしば魔が棲むという。我が家も例外ではありませんでした。私と妹の部屋の境界にいつの頃からか飾られた、素晴らしい仮面達の世界へようこそ…。(具体的にハルマキさんに捧げます)(全て詳細は不明ですが、全て父親が出張先で買って来た品です。どこに出張に行ったかはしらん)

↑おそらく私が小学校高学年くらいの時に買ってこられたもの。スプリガン1、2巻に出てくる仮面を想起させるため「ケツアルクアトル」と呼ばれた(すごく呼びにくい)。「テスカポリトカの衝撃波にやられた…」「大丈夫か!しっかりしろ!」みたいな遊びを妹としていた記憶があるので(誰がどの役をやったかは覚えてないけど、多分一人二役で交代で演技して遊んでいた)中高生くらいまで私達はこの仮面で遊んでたみたいです。
しかしこの仮面を使った一番楽しい遊びは、仮面をつけて人のいない部屋に入り、誰かが入ってきた時に驚かすというものだった。部屋の照明も消して身動きもとらず息をひそめて立ち尽くすのです。私はよく妹の部屋のクローゼットの影に隠れてました(部屋に入ってからもしばらくは意外と人がいることに気がつかない)。部屋のドアぎりぎりのところに立ち、開けた瞬間に仮面が目の前に、というのも非常に効果的でした。当時は私より妹のほうが小さかったので、妹の背丈にあわせ目線がちょうどあうように少し膝を曲げた状態で立っていた。

↑こちらはあまり記憶がない。いつの間にかあった。ある日突然壁にかけられてとても怖かった記憶だけがある。ぱっと見、夫婦なのかしらと思ったけど仮面夫婦って怖いわ…。

↑全員集合写真。下のほうに電話の子機を置く台がある。
他にもなんかいろいろあったけど、ロイヤルコペンハーゲンの「シューベルトが女の子に音楽を教えている像」*1を猫が頭から齧って悲しいらしいので、面白そうなもの達はわりと隅っこに追いやられていた。結局「何故怖いものばかりを私と妹の部屋の近くに飾るのか」という疑問は実家を出て数年経った今もなお分かりません。可愛いガラス製の小鳥とか木製の小鳥とかいろいろあったのに。
今、改めて写真を見ていてすごいことに気がついたけど、赤い仮面(ケツアルクアトル)はうちの父に似ている。こんなことを書くとここを読んでる人で、もし私の結婚式やお葬式などで私の父に会うことになった人がいたらきっと真面目な顔ができなくなるだろうから心配ですけど、似てるよ。父が買ってきた仮面、仮面に付けられた神と同じ名前、その仮面をつけて遊ぶ姉妹、真っ赤な仮面とよく似た父の顔…。フロイト的に言ってきっと大変だ。

*1:適当に聞き流していたのでロイヤルコペンハーゲンだったかもシューベルトだったかも怪しいが、作曲家が女の子に音楽を教えている陶製の像