肌色のひよこ

電車を降りようとした時、前にいた女性の黒い髪に肌色のひよこの飾りがくっついていたのでつい後を追いかけたけど、とても歩くのが速い人だったので私は半分駆け足でした。その時アイポッポからmy name is jackが流れてきて、海に流されたグレタ・ガルボの水着のポートレイトのことを考えていたらいつの間にか肌色のひよこを追い抜かしていた。道はもう暗く、バッグの中から大きくて丸いクッキーを取り出して齧りながら歩いた。20世紀の憂鬱みたいな電灯の下を歩き、湿った陸橋の下にクッキーの屑をたくさん落として帰った。