病気の味、煙の味

★4日、家族でスーパー銭湯へ行く。最近はあちらこちらでしょうもない石鹸を買うのが楽しみ。ハーブだの果物だの可愛らしいのも好きですが、馬油や炭などの可愛くないのも好きです。米ぬか石鹸を買って、顔を洗った。
★5日はガストで苺のなんちゃらを食べながら、白くて大きなアンテナの写真を見せてもらい、興奮する。いつかきっと見たい。想定外のことが起こるとすごく動揺し、余計なことを言ってしまった気もするけどまぁいつも通りの気もする。
★また風邪を引いて病院へ。注射のスピードが尋常でなく、腕を出したと思ったらブスーと刺されあっという間に終わっていた。注射器を片付ける中年の看護婦さんは私のほうを振り返り、不敵な笑みを浮かべ「早いやろ?」と低い声で言った。
★それにしても私は本当に打たれ弱いということが改めて分かった。体のどこか一ケ所でも不調があればやる気がそがれ、うずくまる。咳をすると病気の味がする。苦いような、煙のような、とても不吉な味がする。兎は暖房のせいか冬が終わったと誤解して、冬毛を捨てはじめた。私は立ち上がる気も起きず、一日中横たわっている。マスクをすると眼鏡が曇る。息で白く曇った世界とその下には雲みたいにもくもくしたマスクが見える。兎の毛が部屋の隅っこに溜まっている。何もかも白く湿っている。
★グレーのジャケットを買った。丸襟で丈が短く、少し広がったような形。まるで幼稚園のスモッグのよう。ベレー帽かぶったらきっとよく似合うはず。妹はイギリス人みたいなジャケットを衝動買いしていた。今年はかぶりものをしっかりかぶれる人になりたい。メーテル帽をお店で試着してみたら頭が長くなって驚いた。尻尾が生えた毛皮の帽子がほしいです。
★昨日は喉が痛く頭がぼんやりするので昼間寝ていたら夜眠れなくなり、眠れん眠れんとぐずり、最終的には布団にPCを持ち込み一晩中ひぐらしをしていた。今日の午前10時くらいになって我に帰り、自分の愚かさを呪った。そして病院へ行ったのでした。早く元気になって楽しい格好をして楽しい場所へ行きたい。